〜失われし混在美を求めて〜

 2003年でわが社も創立30周年。役員・社員とも老齢化が激しく、不景気のあおりで仕事量の減る中、みんなの想いもいきおい過去へと向かいがちな昨今です。

 過去を振り返るとき、まぶたに浮かぶのは、今や失われたなつかしい街並み。当時汚らしいと感じていた街並みも、ただなつかしく美しく思い返されます。

 住工が混在するまちの中、あふれ出さんばかりの活力で存在を主張していた町工場群。その残像を、若き日のがむしゃらな自分の姿に重ね合わせながら、「まちづくり」という名の「まちこわし」に加担してきた過去に思いを馳せるとき、「取り返しのつかないことをしてしまった」という悔恨がこみ上げてくるのを止めようがない…。

 そんな想いのみなさんに捧げるため、当美術館では極上の住工混在地の写真をご用意しました。まちづくりはこれからも続きます。「キレイにすればそれでいい」というこれまでのまちづくりのあり方について考え直さねばならない時期にきています。新たなまちづくりを進めていくためには、美への新たな感性を求められる時代になりつつあるのです。どうぞ当美術館でまちの混在美をご堪能ください。

東京都墨田区両国周辺<1973年>
東京都墨田区両国周辺<1973年>
東京都墨田区両国周辺<1973年>
東京都江東区福住<1973年>
東京都墨田区京島<1973年>
東京都墨田区八広<1974年頃>
東京都内<1974年頃>
東京都内<1974年頃>
東京都荒川区町屋<1973年>
東京都荒川区町屋<1973年>
東京都荒川区町屋<1973年>
東京都荒川区町屋<1973年>
東京都墨田区<1974年頃>
東京都内<1974年頃>
東京都内<1974年頃>
東京都江東区森下<1974年頃>
東京都江東区森下<1974年頃>